終日(ひねもす)のたり、のたり哉

前回の続きです。鷹央は超人的な頭脳の持ち主であるが、診断を下すだけで、治療には参加せず、どちらかと言うと、引きこもりに近い生活をしています。
ケース ① オーダーメイドの毒薬
簡単に纏めますと、離婚をしている夫婦で父親は外科系の医者で母親は看護師で親権は、母親で子供がテンカンの持病を持って、しばしばテンカンの発作を起こし天医会総合病院の小児科で入院していると言う設定です。1週間に1回はテンカンの発作以外の発作を起こし、生死に係る重症の発作を繰り返すので、小児科の医師から鷹央に依頼が来ました。鷹央の診断はビタミンAの過剰摂取と言う事に成り、母親 に聞くとサプリメントとしてビタミンAを与えていたとの事、それを止める様に指示をしました。母親はビタミンAの投与を止めました。しかし、痺れ、痛みん等の症状は無くなりましたが、やはり発作は起きています。テンカンの特効薬カルバマゼピンの血中濃度も正常で、異常なしとの診断。母親は、それを誤診と言い訴訟を起こす様になりました。鷹央は他に食べさせている物は無いかと聞くと、冷蔵庫の中のジュースを飲ませていると言う事でした。鷹央はそのジュースが原因と考え10個程の紙カップジュースを全て取り上げ、大学病院で精密に検査をして貰う事にしました。ジュースの種類は、リンゴ、モモ、オレンジ、パイナップル、ブドウ、バナナ等の絵が描かれた紙パックのジュースでした。大学病院からの返答は、全て普通のジュースで異常が無いとの返事でした。母親は鷹央の異常な行動にまた腹を立て訴訟に加えマスコミに連絡をしてこの病院の全てを告発すると言う様に成りました。しかし、鷹央の診断にブレは有りません。原因はジュースしかないと言う考えは変わりませんでした。ある日、鷹央は子供と何気ない会話の中で、たまに苦いジュースが有り、そのジュースは嫌いだと言う事を聞き出しました。苦いジュース?不思議に思った鷹央は、ある仮説をたて、もう一度、冷蔵庫の中のジュースを今度は、盗み、全てを飲んでみました。そうすると、リンゴジュースの絵の描いた中身がグレープフルーツのジュースであることを突き止めました。そう、母親がリンゴジュースの中身をグレープフルーツにすり替えていたのです。グレープフルーツのジュースの中のフラボノイドは、SYP3A4(シップ スリー エー フォー)と読むと言う酵素の働きを数時間ほど阻害をします。CXP3A4はカルバマゼピンの代謝に重要な働きをし、こらが阻害された状態でカルバマゼピンを服用すると、一時的に血中濃度が異常に上昇すると言う。降圧剤のカルシュム拮抗剤もグレープフルーツジュースと飲んでは、危険と言う事も解っています。母親は看護師です、これ位の知識はあります。鷹央は、この母親は代理ミュンヒハウゼン症候群で有る事も見抜きました、ミュンヒハウゼン症候群と言うのは、精神疾患の一つで自分の身体を傷つけたり、毒を飲んだりして自らが重い病気で有るかのように見せかけ周りの人の感心や同情を引こうとする病。代理が付いているので、子供にその様な事をし、自分は一生懸命看病をし、周囲の感心を引くと言う物です。歯科においても、色々なGUESTがいますから、注意をしながら、人間を知ると言う事をしなければいけないと思いました。CYP3A4という言葉が出ましたが、次回はCXP1B1とサルベストロールの関係について述べたいと思います。

                                  Dr.K

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