脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などが当てはまる脳卒中や心筋梗塞などの心疾患に、歯周病が関係していると聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
昨今、脳卒中や心筋梗塞に罹患する人の割合が増加しており、生活習慣だけでなく、実は、歯周病などの口腔疾患とのかかわりも指摘されるようになっています。
そこで今回は、脳卒中や心筋梗塞などの主な原因を説明するとともに、歯周病が関係しているのか、また、歯周病に起因するほかのリスクについても解説します。
目次
脳卒中・心筋梗塞とは?
動脈の血管が厚みを増して弾力を失い硬くなってしまう状態を「動脈硬化」と呼び、血流が悪くなり、血管が詰まったり破れたりする原因となります。
脳内で動脈硬化が生じて起こる疾患が脳卒中です。
脳卒中には、脳の血管が動脈硬化を起こして破れる脳出血と、血管が詰まって脳細胞が壊死してしまう脳梗塞があります。
一方、心臓に血液を送る冠状動脈に動脈硬化が現れ、血管が詰まって血流が完全に止まり、結果、心臓に酸素や栄養が届かず、心筋が壊死してしまう病気が心筋梗塞です。
脳卒中や心筋梗塞の主な原因は?
ご説明してきたように脳卒中や心筋梗塞は、それぞれの臓器に分布する血管に動脈硬化が生じて発症しやすくなります。
動脈硬化は、主に、日頃から血管に対してダメージを与えるような食生活を送っていることに起因します。
たとえば、塩分やコレステロールの多い食事ばかり摂っていると血管が硬くなっていきます。
本来、血管は高い柔軟性を有しており、ある程度の刺激が加わっても破れることはないのですが、動脈硬化によって内壁が硬くなると、簡単に破れる場合があります。
また、動脈硬化によって血管が狭くなると、血栓と呼ばれる血の塊が生じるなどして、血管が詰まってしまう場合があります。
脳卒中や心筋梗塞が増加している理由は?
上述したように、脳梗塞をはじめとした脳卒中や、心筋梗塞などの心疾患は、偏った食生活が原因であるケースが多いです。そして、脳卒中や心筋梗塞の罹患率には、上昇の傾向が見られます。
最近は、食生活の欧米化が顕著であり、塩分やコレステロールの摂取量が急激に上昇していることが、主な理由だといえるでしょう。
歯周病も脳卒中や心筋梗塞の原因となる?
脳卒中や心筋梗塞などの心疾患の原因あるいは誘因として、歯周病が挙げられるようになっていることを皆さんは、ご存知でしょうか。
歯周病は、歯茎などの歯周組織に炎症が生じる病気ですから、一見すると脳卒中や心筋梗塞などの心疾患とは無関係であるように思えます。
けれども実は、それなりに深い関連があることが最近わかってきたのです。
歯周病は細菌感染症
歯周病が、なぜ脳卒中や心筋梗塞の原因になるのかについて知る前に、まずは歯周病の原因について考えてみましょう。
歯周病は、れっきとした細菌感染症です。歯周病菌と呼ばれる細菌が歯茎などに感染することで、歯周病が発症します。
この歯周病菌が、脳卒中や心筋梗塞の原因及び誘因となりえる可能性があるのです。
歯周病菌は血液に乗って全身へ移動する
歯周病が重症化すると、歯周ポケットやその周囲で歯周病菌が増殖します。
歯や歯周組織には、当然のことながら血管が通っていますので、増殖した歯周病菌の一部(炎症性サイトカイン)が血管内へと侵入することも珍しくはありません。
そして、血管内に侵入して全身へと移動した炎症性サイトカインは、血管内壁に張り付いたり、細菌そのものが核となって、血栓をつくったりす場合もあるのです。
血管の内壁が肥厚すれば、何かの拍子に梗塞を起こすことも十分あり得ます。
そのようにして起こると考えられるのが、脳梗塞や心筋梗塞です。
歯周病は全身の疾患にもかかわってきますから、歯周病でお悩みの方や予防をしたい方は、西白井駅から徒歩1分のところにあるハーツデンタルクリニック西白井駅前にご相談ください。
丁寧なカウンセリングをしながら、患者さんのお悩みの寄り添います。
歯周病と脳卒中や心筋梗塞との関係は解明中
ただし、歯周病菌の存在がどのように動脈硬化症の発症につながっているのかは、まだ十分には解明されてはいません。歯周病の治療をすれば、心筋梗塞や脳梗塞が改善されるとまではいえないのが現状です。
ただし、歯周病と脳梗塞や心筋梗塞などの直接的な関係性は証明されていないものの、関連する報告が数多くあるのも事実です。歯周病が脳梗塞や心筋梗塞などのリスクを高めるとの認識が、専門家の間で共通認識になっています。
歯周病に起因するリスクは?
脳卒中や心筋梗塞などの心疾患以外に、歯周病によるリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。
低体重児・早産
近年、妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児の出産になるリスクや早産の危険度が高くなるといわれています。
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまって発症する肺炎です。
高齢者においては、食べ物などを飲み込む際に、むせるなどして歯周病の細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。
その結果、免疫力の衰えた高齢者では、誤嚥性肺炎を発症してしまう場合もあります。
糖尿病
糖尿病の高血糖や血液中のブドウ糖のアンバランスによって歯周病を起こしやすくなります。
また、歯周病は、血糖値コントロールを阻害するといわれており、糖尿病のリスクにもなります。
まとめ
脳梗塞や心筋梗塞は、日本人の死因の上位を占めている重大な疾患です。
それらの原因や誘因となるのは、主に食生活を始めとした生活習慣ですが、歯周病のような口腔疾患もそのリスクとなりえることを頭に入れておきましょう。
歯周病は、歯茎が腫れたり、歯茎から出血を起こしたりするだけの病気ではなく、重症化すると命にかかわるような全身疾患へと広がっていく可能性もあるのです。
それだけに歯周病にかかったら、重症化しないようなケアが必要です。
歯周病が気になる方は、専門家である西白井駅から徒歩1分のところにあるハーツデンタルクリニック西白井駅前に相談してください。歯周病のプロフェッショナルが適切なアドバイスをいたします。
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