口臭はどこで治療する?原因ごとの治療方法を解説

口臭はどこで治療する?原因ごとの治療方法を解説

口臭で悩んでいるけれども、「どこで治療をすればよいのか」と迷っている方も多くいるのではないでしょうか。口臭にはいくつかの種類があり、それぞれ異なった原因でニオイの種類や治療方法が違ってきます。そこで今回は、口臭の原因ごとに、どこで治療をすればよいのか、さらには治療方法についても詳しく解説します。

 

 

口臭とは?

 

口臭とは、文字通り口の臭いであり、一般的には呼気に含まれる不快な臭気を指します。ひと言で口臭といっても、臭いの原因や種類、強さはさまざまなので、ひとまとめにして語ってしまうことはできません。まず、口臭には3つの種類があることを知りましょう。

 

口臭の原因ごとの種類

 

口臭は、大きくは「生理的口臭」「病的口臭」「心理的口臭」の3つの種類に分けることができます。

 

生理的口臭

生理的口臭は、“誰にでもある口臭”です。私たちは生命活動を営んでいる以上、どんなに清潔にしていても必ず口臭が発生します。とくに朝起きた直後やお腹が減っているとき、強いストレスを感じているときなどは、生理的口臭が強くなります。生理的口臭の正体は、お口の中の細菌の繁殖です。

 

上述したケースでは、すべて唾液による自浄作用や殺菌作用、抗菌作用が働きにくくなっており、口内細菌がニオイの元になる物質(硫化水素など)をたくさん作ってしまうのです。唾液がない状態、つまり、口腔乾燥が生理的口臭の主な原因となっているともいえます。

 

ちなみに、妊娠中の女性も生理的口臭が強くなりがちですが、それはホルモンバランスの乱れによって唾液の分泌量が低下するからです。ただし、いずれも生理的な現象なので、過剰に気にするのもよくないでしょう。

 

病的口臭

病的口臭は、病気に由来する口臭です。具体的には、虫歯や歯周病などのお口の病気と糖尿病や肝臓病などの全身疾患の2つに大別できます。病的口臭は生理的口臭とは異なり、病気が背景にあることから早急に治療を受ける必要があります。

 

病的口臭は、根本的な原因となっている病気のひとつの症状に過ぎず、実際にはそのほかにもっと深刻な異常が体のどこかで生じているかもしれないからです。

 

ちなみに、病的口臭の大半は歯周病が占めています。

 

心理的口臭

心理的口臭は、本人だけが臭いと思い込んでいる口臭です。周りの人はもちろん、歯科医院などで口臭検査を行っても、口臭と呼ばれるニオイは認められません。こうした症状は、比較的神経質な人や精神的に不安定な人に起こりやすく、重症度が高い場合は、病院でのカウンセリングや治療が必要になります。

 

ただし、普通の人でも気分が落ち込んでいたりするときは、ネガティブになりがちです。そのようなときは、過剰に自分の口臭が気になってしまうこともあるでしょう。

 

口臭の診断方法は?

 

口臭の検査は、主に歯科医院や大学病院などの口臭外来で受けることができます。

 

歯科医院の場合

歯科医院では、口腔内を診査することで、ある程度、口臭の原因を突き止めることが可能です。具体的には、歯周病検査や虫歯の検査を実施して、それらの病気の有無や状態で、口臭との関連を推測していきます。

 

とりわけ歯周病由来の口臭に関しては「ペリオ臭」という名前が付けられるほど特徴的であり、歯科医師であれば、すぐに判別できます。

 

大学病院などの場合

大学病院などに設置されている口臭外来では、もう少し専門的な検査を受けられます。専用の装置を介して患者さんの呼気の臭いをチェックする「官能試験」や、呼気に含まれるニオイの成分を科学的に調べられる「口臭測定器」を用いた検査などがその代表例です。

 

ご自身の口臭に関する精密な診断がほしいときには、こうした専門外来での検査が有用でしょう。

 

口臭の治療方法は?

 

口臭を改善する方法や治療する方法は、原因によって大きく異なります。

 

歯科医院での治療

日本人の口臭の原因は、ほとんどの場合が歯周病由来なので、口臭の改善方法も自ずと歯科医院での治療がメインとなります。歯科医院で受ける歯周病の治療の中心は、お口の中の歯垢や歯石を取り除くことです。歯垢や歯石がなくなると、歯周病が治っていき、口臭の原因となっている揮発性のニオイのガス(=メチルメルカプタン)も産生されなくなります。

 

もちろん、虫歯が原因で口臭が発生している場合は、虫歯治療によって改善されます。

 

内科での治療

口臭は、お口の病気だけでなく、全身の病気が原因となる場合もあります。もっともい一般的なのは、糖尿病による「アセトン臭」です。糖尿病になると、糖をエネルギー源とすることが難しくなり、脂肪の分解が促進します。その過程で生じるのがアセトンと呼ばれる物質で、甘酸っぱい独特な臭気が放たれるようになります。そのほか、肝臓や腎臓にかかわる病気を発症するとアンモニア臭が生じたり、呼吸器系の疾患でもアセトン臭が発生したりする場合があります。

 

それぞれの病気を専門にしている診療科を受診して適切な治療を受ければ、口臭の症状も和らいでいくでしょう。

 

心療内科

実際には生理的口臭や病的口臭が発生していないにもかかわらず、本人にとっては息が臭いと感じられてしまうケースでは、当然ですが上述した方法で改善、もしくは治療することはできないでしょう。その際に受診をおすすめするのは、心療内科や精神科などです。

 

心療内科や精神科というと、精神病というネガティブなイメージを想起される方がおおくいらっしゃると思いますが、心理的口臭で、これらを受診される方も少なくありません。

 

口臭を予防する方法は?

 

3種類の口臭は、さまざまな点に配慮することで予防できます。

 

生理的口臭の予防方法

生理的口臭は、日ごろからお口が乾燥するのを防ぐようにしてください。小まめに水分補給をする習慣が身につくと、口臭も発生しにくくなります。ただ、起床時や緊張時の生理的口臭は、完全に予防することはできないので、ある程度は許容することが大切です。

 

この点に厳しくなりすぎると、心理的口臭になりかねないでしょう。

 

病的口臭の予防方法

病的口臭については、それぞれの病気を予防することが基本です。歯周病や虫歯は、毎日の口腔ケアの徹底が鍵を握ります。全身の病気に関しては、それぞれでリスク因子も異なるので、個別の対策が必要となります。内科のお医者さんの指導や助言をもとにして予防に努めましょう。

 

心理的口臭の予防方法

心理的口臭は、考えすぎないことが一番です。口臭は身近な人に相談しにくい問題ですから、定期検診の際に歯医者さんや歯科衛生士さんに尋ねてみるとよいでしょう。

 

歯科医師はお口の専門家であり、口臭に関する相談を受ける機会も多く、有益なアドバイスがもらえるかと思います。

 

まとめ

 

ご説明してきたように、口臭は大きく3つの種類に分けられ、それぞれ原因や治療方法が異なります。口臭に悩まされている人は、まず、頼りになる歯科医院に行って歯科医師に相談することをおすすめします。

 

気になる臭いが、生理的口臭、あるいは虫歯や歯周病に由来する口臭であれば、歯科医院で治療も完結するでしょう。

コメントを残す

*

CAPTCHA


24時間予約受付中