
歯の黄ばみや黒ずみは加齢が原因となることもあります。年を取るとなぜ歯が黄ばんでしまうのか。その理由と予防法、対策法について具体例を挙げながら詳しく解説します。
加齢による歯の変色について
歯は人体で最も硬い組織と言われていますが、次のような理由から変化が見られ、歯の変色が現れるようになります。
まずは歯の構造を理解しましょう
歯の外側は半透明のエナメル質
私たちの歯の表面は「エナメル質」で覆われており、この組織は実際に骨より硬いです。歯科医院で虫歯を削る際にもダイヤモンドの粉末がまぶされたバーを使わなければ切削できないくらいです。
永久歯は一生涯使い続ける歯なので、それくらい頑丈でなければ、適切な役割を果たすことができません。そんなエナメル質は真っ白ではなく、半透明の組織であり、すぐ下に存在している象牙質を少しだけ透過しています。
エナメル質の内側は黄色味を帯びた象牙質
エナメル質の内側に存在している象牙質は、黄色味を帯びた組織です。進行した虫歯で歯質が黄色く見えるのはそのせいでもあります。つまり、健康な人の歯でもエナメル質から黄色い象牙質が透けて見えることから、少しだけ黄色味を帯びていてもなんら異常はありません。
歯は摩耗などで薄くなっていく
エナメル質はとても硬い組織ですが、さまざまなことが原因で摩耗していきます。たとえば、研磨剤入りの歯磨き粉を使ってゴシゴシと強く磨いていくだけでも、それが習慣化すればエナメル質は薄くなっていきます。また、歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖がある場合も歯がどんどん摩耗していき、エナメル質が薄くなっていきます。その結果、象牙質の色の透過度が高まって、歯が黄ばんで見えるようになるのです。
ステインが歯の内部に蓄積していく
飲み物や食べ物に含まれる着色汚れが歯の内部に蓄積していくことでも歯の黄ばみは強まっていきます。これは加齢と直結するわけではありませんが、年を重ねるごとにステイン(着色汚れ)の沈着が増えていくことは確かです。
加齢で歯茎が下がって歯根が露出する
歯は頭の部分を歯冠(しかん)、根っこの部分を歯根(しこん)と呼びますが、エナメル質が存在しているのは歯冠の部分だけです。歯根の主な構成成分は象牙質なので、もともと黄色味を帯びています。
そんな歯根面が加齢や歯周病による歯茎の退縮(=歯茎が下がること)によって露出すると、自ずと歯が黄色く見えるようになります。歯周病は加齢と直結していませんが、年齢が上がるにつれて歯周病のリスクは上昇します。ちなみに、加齢によって歯と歯の間のすき間が広がるのも歯茎が下がる現象に関係しています。
加齢による歯の変色の予防・対策法
加齢による歯の変色は、次に挙げる方法によって予防・対策することが可能です。
歯ぎしり・食いしばりをしない
歯ぎしりや食いしばりは、歯を摩耗させる主な原因です。エナメル質がすり減って象牙質の色が目立つようになるだけでなく、知覚過敏や虫歯のリスクも上昇させるため、歯ぎしりや食いしばりを自覚している人はすぐにでも改善するよう努めましょう。歯ぎしり、食いしばりの治療は、歯科医院で受けられます。
歯並び・噛み合わせの治療を受ける
歯並びや噛み合わせに異常があると、特定の歯に過剰な負担がかかるため、歯の摩耗を促進します。また、歯周組織に炎症が生じることで歯茎が下がり、歯根がむき出しになりやすくなります。
そうしたトラブルを防ぐ上では、歯並び・噛み合わせの治療が有効だと言えます。いわゆる歯列矯正で歯の向きや位置を細かく整えることも大切ですが、特定の歯の噛み合わせを歯を削って微調整するだけでも、歯や歯茎に与える悪影響を減らせることがあります。
着色性の強い食品をあまり食べない
加齢による歯の黄ばみを予防する上で、何よりも意識すべきは食生活の改善です。次に挙げるような食品を習慣的に摂取している場合は、できるだけ控えるよう努めましょう。1日たった1~2杯のコーヒーの摂取でも、それが10年、20年と毎日続けば、歯の内部にステインがたまっていきます。
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
- 赤ワイン
- カレー
- 色の濃い野菜、果物 etc
クリーニング・ホワイトニングを定期的に受ける
歯の表面や内部にたまった汚れは、歯科医院のクリーニングやホワイトニングで落とせます。そして、定期的に汚れを落とすことで、歯の黄ばみは抑えられます。一度取り除いても汚れは再びたまっていってしまうものなので、数ヶ月に1回くらいの頻度でもかまいませんので汚れを取り除き、加齢に伴う歯の黄ばみを最小限に抑えましょう。
歯科医院のクリーニング
歯科医院のクリーニングは、歯の表面の汚れを落とす処置です。電動のブラシや研磨剤などを使って、歯科衛生士が1歯1歯ていねいにお掃除します。
ホワイトニング
歯科医院のホワイトニングは、歯の内部に沈着した汚れを落とす処置です。費用は1万円以上が相場ですが、漂白作用のある薬剤を歯の中に浸透させ、しつこいステインを化学的に分解・除去できます。
ホワイトニングサロンのセルフホワイトニングの多くは歯の表面の汚れを落とす程度の効果しかありませんが、HAKARAセルフホワイトニングであれば、5,000円前後で歯科医院と同程度に歯の汚れを分解・除去できます。手軽な値段でしつこい汚れを落としたい方にはおすすめです。
歯周病を予防する
歯周病は、歯を黄色く見せるだけでなく、歯茎や顎の骨に深刻なダメージを与え、最終的には歯そのものを失ってしまう怖い病気です。それだけに予防が重要だと言えます。
歯周病を効率良く予防するためには歯科の定期検診がとても大きな力を発揮します。3ヶ月に1回は定期検診を受診し、歯周病がないかのチェックをしてもらいましょう。そのタイミングでクリーニングやホワイトニングを受けるのもよいでしょう。
歯の黒ずみも加齢のせい?
ここまでは、加齢による歯の黄ばみについて説明してきましたが、歯の黒ずみに関しても気になるところです。見た目の印象としては、歯の黒ずみのほうが黄ばみよりもネガティブなイメージを与えるため、その原因についても詳しく説明していきます。
歯の表面に穴が空いている場合は虫歯
歯の黒ずみが生じている部分に穴が空いている場合は、ほぼ間違いなく虫歯です。虫歯で溶かされた歯質に黒い色素が沈着して黒ずみが生じます。これは加齢とは一切関係がなく、早急に虫歯治療で改善しなければならない状態です。稀にではありますが、歯に穴が空いていてもそれが虫歯ではなく、外傷が原因であるケースもあり得ます。歯の表面が欠けて穴が空き、そこに黒い色素が沈着することで黒ずみが現れます。どちらにしても正常な状態ではないので、歯科医院での修復処置が必須となります。
加齢で歯の表面が粗くなることで黒ずむことがある
歯ぎしりや強圧によるブラッシングでエナメル質に細かい傷がつくと、そこにステインがたまりやすくなります。黒い色素を豊富に含んだ食品を好んで食べているような場合は、そこに黒ずみが生じる可能性も十分にあります。
もちろん、歯の表面が粗くなることは、加齢が原因とも考えられます。加齢によって歯の表面がザラザラになると、そこにステインがたまって黒ずみます。
まとめ
このように、歯は加齢で黄色くなることがあります。加齢は誰にでも訪れるものであり、完全に止めることは不可能ですが、加齢による悪影響を抑えることは可能ですので、歯の黄ばみや黒ずみをできる限り防ぎたいという方は、今回、ご紹介した黄ばみの予防法・対策法をご自身の生活の中で実践してみてください。