メタルフリー治療
目次
メタルフリーとは銀歯を使用しない治療を指します。多くの方は保険適用で安い「銀歯」をお選びになると思います。しかし!はっきり申し上げて、「銀歯は、応急処置」保険が効いて、お金の負担が軽いということだけです。
金属を使わないで治療するということです。今までは金属を使って治すケースが多くありましたが、近年、コンポジットレジンや接着技術の向上、セラミックの物性の改善などにより金属を使わずに詰めたり、かぶせたりすることが可能となっています。
いまだけを考えたら、たしかに銀歯でいいのです。でも、少しでも長く、自分の歯で生活したいという方には、断然セラミックをおすすめします。
私たちがセラミックをおすすめする理由
虫歯治療の際には、詰めもの、被せものとして、「銀歯」か「セラミック」を選んでいただくことができます。
銀歯とセラミックの違いは?
一言でいいますと、歯を守れる確率がまったく違う!ということになります。セラミックの方が銀歯より自分の歯を守れる確率が断然高いのです。なぜでしょう?それは、セラミックと銀歯の3つの違いから生まれます。
表面の違い
- 銀歯はでこぼこ、セラミックはつるつる。
- 虫歯の原因となるプラークがつきにくい。
すき間の違い
- 銀歯はすき間、セラミックはぴったり。
- 根元から虫歯菌が入りにくい。
セメントの違い
銀歯(保険)では、私たち歯科医師がホントは使いたいセメントを使用できないため劣化するスピードが速く、歯との間にすき間が空き、虫歯菌の侵入を許してしまう。
メタルフリーのメリット(セラミック治療のメリット)
金属アレルギーのリスクがゼロに
メタルフリー治療のメリットとして金属アレルギーのリスクをゼロに出来る事です。
文字通り金属を一切使用しないためリスクを無くすことが可能です。
アレルギーは隠れアレルギーも多く、年齢を増すごとにアレルギーの症状が出始めるケースも多くメタルフリーにすることでそのリスクを軽減することが可能です。
見た目が気にならない
金属の歯(銀歯)を使用すると前歯は特にですが銀歯が目立ちます。奥歯であっても白い歯の中に銀色がキラっと光目立ちます。
セラミックであれば自然な色なのでどこを治療したのか分からないため気にせずお食事や写真撮影も楽しむことが可能です。
歯が劣化しにくい
銀歯は使っているうちに少しずつ変形していきます。変形すると天然歯と銀歯との接着部分にすき間や段差ができ、そこで二次虫歯が発生してしまうのです。 その点、セラミックは変形することもなくすき間もできにくいため、二次虫歯になる可能性が低いのです。またセラミックは表面が陶器のようにつるつるしています。そのため汚れや茶渋やヤニなどの色素が付着しにくいのです。
メタルフリーのデメリット(セラミック治療のデメリット)
保険が適用されない
セラミック治療だと保険が適用されないため実費での治療が必要となります。
一生使えるわけではない
セラミックは銀歯と比較して長持ちではありますが一度セラミックにしたら一生安心というわけではありません。
日々の手入れが悪いと二次虫歯になることや加齢などで歯茎が下がり境目が目立つようになることもございます。
通常の歯のように定期健診や日々のお手入れをしっかりと行い長持ちできるようにしましょう。
割れることがある
セラミックの固さは陶器のような硬さなので割れてしまうこともございます。
以前のセラミックと比較して今はより頑丈にはなっていますが歯ぎしりや食いしばる癖のある方は割れてしまう可能もございます。
そういった方は寝るさいにマウスピースを着けるなどの対策が必要となるケースもございます。
銀歯のリスク・デメリット
銀歯には、比較的安価で作りやすく、強度も高い人工歯ですが、次に挙げるようなリスクを伴います。そのため銀歯の需要は年々低下しています。
リスク1:金属アレルギーになる可能性がある
銀歯の最大のリスクは、金属アレルギーです。保険診療で作る銀歯は、金・銀・銅・パラジウム・インジウムなど、たくさんの金属で構成されており、その中にひとつでも患者さまのアレルゲンとなるもの含まれていれば、金属アレルギーを発症するリスクが大きく上昇します。仮に、治療段階で一切の金属アレルギーをお持ちでない場合でも、銀歯を装着していく中で、新たにアレルゲンとなる金属が出てくることもあります。
リスク2:歯茎が黒ずむ(メタルタトゥー)
銀歯で金属アレルギーが生じるのは、唾液や熱刺激で金属イオンが溶け出すからです。その一部がお口の粘膜の血管へと入り込み、異物と認識されます。溶出した金属イオンは、歯茎に沈着することで“黒ずみ”を生じさせることもあります。いわゆる“メタルタトゥー”は、お口の審美性を大きく低下させる要因となり、笑顔に自信が持てなくなる方も多いです。
リスク3:見た目が悪い(審美障害)
銀歯は、文字通り銀色をしており、金属色がむき出しです。光が当たるとギラギラと光ることから、見た目が良くありません。それが気になって口元を隠す癖が付いたり、人前で自然に笑えなくなったりする方もいらっしゃいます。
リスク4:長期的な耐久性に劣る
銀歯は合金で作られていることから、強度が高く、割れることはまずありません。ただし、経年的な劣化は進みやすく、歯質との適合も悪くなりやすいです。その結果、銀歯の下で虫歯が再発したり、銀歯が脱離したりすることはよくあります。
リスク5:汚れが付着しやすい
銀歯は、天然歯やセラミック歯よりも汚れが付きやすいです。装着後も表面に傷が付くことで、歯垢・歯石がたまりやすくなります。銀歯はその点においても虫歯・歯周病リスクが高い人工歯といえます。
セラミックの種類
セラミックの種類はさまざまで、費用が高ければよいものとは限りません。それは、症例によって、最適なものが異なるからです。当院では、みなさまにとって最も体にやさしい材料を提供することをお約束します。
ジルコニア-エクセレント
ジルコニアフレーム+手盛りセラミック
ジルコニアフレームに、手でセラミックを盛り、天然歯に近い歯を作り上げます。最高級のジルコニアです。
おすすめ度: | ★★★★★ |
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ジルコニアとは
ジルコニアは、セラミックの一種で、人工ダイヤモンドとも呼ばれ固く、美しく体に優しいセラミックです。
ジルコニア-グレイト
セラミックのみで制作されている究極の審美材料です。ジルコニアフレームに、セラミックをプレスして作成されます。手盛りセラミックで生まれる内部からの色合いの再現は難しいですが、色合いは自然歯に近くなります。
おすすめ度: | ★★★★★ |
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ジルコニア-スーパーグッド
セラミックのみで制作されている究極の審美材料です。全てジルコニアで制作する被せものです。エナメル質にあたる部分がないため、ジルコニア自体の色合いだけでの表現となり、透明感は少なくなります。
おすすめ度: | ★★★★★ |
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オールセラミック e-max
100%セラミックを使用したもの。陶器のような白い歯の再現性に優れ、見た目が美しく、変色しにくいです。
おすすめ度: | ★★★★★ |
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治療費
治療費は変更がある可能性がございますので、クリニック担当者にご相談ください。
かぶせもの
内容 | 費用(税込) |
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ジルコニア エクセレント | 154,000円 |
ジルコニア グレイト | 110,000円 |
ジルコニア スーパーグッド | 99,000円 |
セラミック e-max | 110,000円 |
ゴールド | 220,000円 |
CAD/CAM冠 | 保険適用 |
銀歯 | 保険適用 |
つめもの
内容 | 費用(税込) |
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セラミック(e-max) | 小臼歯:55,000円 大臼歯:66,000円 |
ジルコニア | 88,000円 |
ゴールド | 小臼歯:77,000円 大臼歯:110,000円 |
CAD/CAM冠 | 保険適用 |
銀歯 | 保険適用 |
セラミックの種類と治療費用の相場
被せもの・つめものの治療では、次のような材料を使用できます。治療費用の相場も併せてご紹介します。
被せもの(クラウン)
被せものは、歯の頭の部分である歯冠(しかん)をすっぽりと覆うような形の補綴物です。クラウンと呼ばれることもあります。
◎ジルコニア
ジルコニアは、金属に匹敵する硬さを備えたセラミックです。人工ダイヤモンドとも呼ばれており、従来のセラミックの「割れやすい」という弱点を克服した審美材料です。酸化ジルコニウムが90%以上を占めており、経年的な摩耗や変色もほとんど起こりません。白色を呈しており、自然な色調に仕上げることができますが、透明感ではオールセラミックに劣ります。そのため、高い審美性が求められる前歯よりも強度が必要な奥歯に適したセラミックといえるでしょう。
費用相場 | 154,000円程度 |
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◎オールセラミック(emax等)
オールセラミックは、文字通りセラミックのみを使用した被せものです。陶器とほぼ同じ素材であり、歯科材料の中では最も美しいといっても過言ではありません。天然歯の色調・光沢・透明感を忠実に再現できます。患者様の歯に調和するよう製作できることから、治療後はどこに人工歯を入れたのかわからなくなるくらいの美しさが期待できます。ジルコニアと同様、摩耗や変色は起こりにくいですが、強い衝撃が加わることで割れるリスクはあります。当院では「e-max(イーマックス)」という二ケイ酸リチウムを主成分とした被せ物を取り扱っており、耐久面にも優れたオールセラミックを提供できます。
費用相場 | 110,000円程度 |
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◎メタルボンド(セラモメタル)
金属製の土台の表面にセラミック材料を盛りつけた被せものです。表側から見ると白い歯に見えるため、審美治療として広く使われています。耐久性の高さも両立できる点が大きなメリットです。メタルボンドでは土台に金属を使用することから、金属アレルギーのリスクはなくなりません。
費用相場 | 80,000~150,000円程度 |
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◎ゴールド
「金」で構成された被せものです。貴金属の一種である金は、金属アレルギーのリスクが極めて低くなっています。光を反射するため、人工歯が目立ちやすく点は銀歯と変わりありませんが、生体安全性の高さに大きな違いが見られます。また、金は「展延性(てんえんせい)」に富んでおり、任意の形に曲げたり、延ばしたりしやすい材料となっています。歯とぴったり適合させることも難しくなく、虫歯の再発リスクが低い被せものといえます。
費用相場 | 220,000円程度 |
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つめもの(インレー)
つめものは、歯の一部分だけを補う装置です。インレーとも呼ばれます。
◎ジルコニア
ジルコニアクラウンと同じ材料です。硬さの面でオールセラミックよりも優れています。
費用相場 | 88,000円程度 |
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◎オールセラミック(emax等)
オールセラミッククラウンと同じ材料です。審美性に優れています。
費用相場 | 小臼歯:55,000円程度 大臼歯:66,000円程度 |
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◎ゴールド
ゴールドクラウンと同じ材料です。生体安全性に優れた金属材料です。
費用相場 | 小臼歯:77,000円程度 大臼歯:110,000円程度 |
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セラミック治療の痛みと期間
セラミック治療に伴う痛み
セラミック治療では、歯を削る処置が必須となります。それは一般的な被せもの・つめもの治療と変わりはありません。歯を削る際には必ず麻酔を施すことから、極端に強い痛みが生じることはないでしょう。残っている歯質の量が少ない場合は、歯の神経を抜いたり、根管内の処置が必要となったりするため、治療期間はやや長くなります。
セラミック治療の期間
セラミック治療にかかる期間は、患者様の歯の状態によって大きく変わります。虫歯がない状態であれば、カウンセリングも含めて3~4週間で終わることも珍しくありません。虫歯があったり、歯の根の処置が必要であったりする場合は、全体で1~2ヵ月程度はかかります。
セラミック治療の歯科医院の選び方
セラミック治療を検討中の方は、歯科医院選びで失敗や後悔をしないためにも以下のポイントに気を付けてください。
セラミック治療の実績が豊富
セラミック治療は、専門性の高い診療分野です。高い技術や豊富な知識、経験がある歯科医師・歯科医院に治療を任せた方が良い結果も得られやすいです。
材料の選択肢が豊富
セラミックにはさまざまな種類があります。歯科医院によって取り扱っているセラミックの種類に違いが見られるため、ご自身が希望されている選択肢があるかどうかを必ずチェックしましょう。
治療にかかる費用が明示されている
セラミック治療にかかる費用がわかりやすく提示されているかも重要なポイントです。各種セラミックの値段がホームページ上に掲載されている場合は、検討しやすいかと思います。
セラミック・ハッピー・ストーリー
「保険が効くからという理由で、銀歯を選択しましたが、健康には代えられませんね」
Nさん(45歳 男性)の場合
お話をお聞きすると、「銀歯が原因で金属アレルギーを起こしているので治療したい」とのことでした。 Nさんの悩みは深刻でした。
「全身に発疹が出て、とにかく痒くてたまらない。いつも睡眠不足なので、昼間ぼうっとしてしまって何をやるにも集中できない。仕事にも身が入らない状態でした。原因もわからなかったのでほんとに困りました」 何とか発疹を治したいと思って皮膚科へ行ったところ、金属アレルギーと診断されたそうです。
3年程前にまとめて治療した銀歯が、錆びたり溶け出したりして身体に影響を与えていたのです。丸1年かけて、銀歯をセラミックの歯に替えていったところ、発疹は自然となくなり、いまでは健康状態もすっかり良くなりました。
「発疹のない健康な身体になったことで、口元を気にすることなく人前で思い切り笑えるようになったこと。性格まで明るくなったような気がします」