無痛治療 前後の留意点

無痛治療(静脈内鎮静法)を希望される患者様へ
歯科治療に対して強い恐怖心を抱く患者様に有効なのが「静脈内鎮静法」です。点滴から鎮静薬を投与することで、不安や緊張を和らげ、眠っているようなリラックスした状態で治療を受けられる方法です。ただし、安心して施術を受けるためには、患者様ご自身にもいくつか準備や注意が必要です。ここでは、治療前・当日・治療後に気をつけるべきポイントをご紹介します。

治療前に患者様が準備しておくこと
◎食事や水分制限について
鎮静中に嘔吐や誤嚥を防ぐため、治療前の食事や水分は制限されます。一般的には、施術の6時間前から食事禁止、2時間前から水分も控えることが推奨されます。院内の指示を必ず守りましょう。
◎持病や服薬の申告の重要性
高血圧や糖尿病、心疾患などの持病、あるいは普段服用している薬は、必ず事前に歯科医師に申告してください。抗血小板薬や抗凝固薬は出血に影響し、睡眠薬や安定剤は鎮静薬と相互作用を起こす可能性があります。安全に施術を行うための大切な情報となります。
◎当日の付き添いや帰宅手段の手配
静脈内鎮静法を受けた後は、ふらつきや判断力の低下が残るため、自分で車を運転して帰宅することはできません。ご家族やご友人に付き添いをお願いし、公共交通機関やタクシーを利用するように準備しましょう。

治療直前・当日の注意点
◎診療前に確認すべき体調や症状
当日の朝に体調がすぐれない場合や、発熱・咳・喉の痛みなどの症状があるときは、必ずスタッフに伝えてください。全身状態が不安定なまま鎮静を行うのは危険だからです。
◎治療中の意識状態と安全性
静脈内鎮静法は全身麻酔とは異なり、完全に意識を失うわけではありません。呼びかけに応じられる程度の浅い眠りのような状態で治療が進みます。脈拍や酸素飽和度はモニターで常に管理され、万全の体制で安全性が確保されています。

治療後に注意すべきこと
◎鎮静後のふらつきや眠気への対応
施術が終わっても、薬の作用はしばらく残ります。ふらつきや強い眠気を感じる場合があるため、必ず院内で休んでから帰宅し、無理のない行動を心がけてください。
◎当日の飲食・入浴・運転の制限
帰宅後しばらくは水分から摂取を始め、嘔気がなければ軽食を取るようにします。アルコール摂取や長時間の入浴、車の運転は当日避ける必要があります。判断力や注意力が低下しているため、事故や転倒につながる恐れがあるからです。
◎就寝時や翌日以降の生活上の留意点
就寝時はできるだけ仰向けで休み、呼吸が安定しているかご家族に確認してもらうと安心です。翌日以降は普段通りの生活が可能ですが、持病がある方や歯茎の治療など出血リスクが伴う場合は、歯科医師の指示を守って過ごしてください。
静脈内鎮静法は、歯科治療への不安を大幅に軽減し、安心して虫歯や噛み合わせ、歯茎の治療を受けることができる有効な方法です。ただし、その安全性を保つためには、患者様ご自身の準備と留意点の理解が欠かせません。食事や水分の制限、持病や服薬の申告、帰宅手段の確保などを事前に整えておくことで、治療をより安全に受けられます。施術後も無理をせず、体を休めることが大切です。疑問や不安がある場合は、必ずハーツデンタルクリニック西白井駅前 歯科医師に相談しましょう。