ホワイトニングの効果をうたった歯磨き粉は、身近で購入可能できて種類も豊富、値段も安いので、歯を白くしたい方は、まずは試してみようと思うのではないでしょうか。
そこで、今回は、市販のホワイトニング歯磨き粉について解説していきます。
目次
ホワイトニング歯磨き粉の成分とその効果
ホワイトニング歯磨き粉に含まれているホワイトニングと関係の深い主な成分と効果は下記のとおりです。
➀ポリリン酸ナトリウム
「ポリエチレングリコール」や「マクロゴール400」と表記されている場合もあります。歯についた着色やヤニなどを溶かして汚れを落としやすくする作用があります。
➁ヒドロキシアパタイト
歯の微細な傷を修復・再石灰化する効果があり、表面のデコボコを埋めてくれるので美しい歯になれます。また、歯をコーティングすることで、着色や外的刺激から守ってくれ、プラーク(歯垢)やステイン(歯の着色の汚れ)をつきにくくする効果も期待できます。
➂研磨剤
「無水ケイ酸(シリカ)」「含水ケイ素(タルク)」「炭酸カルシウム」「炭酸水素ナトリウム(重曹)」「水酸化アルミニウム」などと表示されています。研磨剤なので汚れを落とすことはできますが、歯の表面を傷つける可能性があるので注意が必要です。歯が傷つくと、かえって汚れがつきやすくなってしまいます。
④重曹
確かにクリーニング効果はあり、重曹自体は比較的に安全なものですが、重曹は研磨剤の効果に似ているため歯を傷つけてしまいがちです。
⑤酸化チタン
酸化チタンは歯磨き粉を白色に見た目を良くするための物質で、歯のホワイトニングにはあまり関係のないようです。ホワイトニングの効果があるとされる歯磨き粉の成分とその効果を見ると、歯の表面の汚れは落とせても、歯を内部から白くすることができるとは言えそうにありません。
商品の裏に「歯を白くします」と書かれていても、歯科医院やセルフサロンでのホワイトニングとは違い、メカニズム的に歯を内部から白くする成分は含まれてはおらず、期待する効果は得られないでしょう。
歯科医院で行われるホワイトニングの効果との比較
歯科医院のホワイトニングで用いられる薬剤には、一般的には「過酸化水素(もしくは過酸化尿素)」と称する薬剤が配合されており、歯の表面の汚れや色素を分解して無色化します。さらに、過酸化水素はエナメル質の構造を変化させることにより歯を内部から白くすることができます。
ところが、市販の歯磨き粉に歯を白くする濃度の過酸化水素を配合することは法律で禁止されています。したがって、市販の歯磨き粉では、すでに述べたように表面の汚れを落として白い歯に近づけることはできても、歯科医院で行われるホワイトニングと同程度の効果を望むのは無理です。
海外製ホワイトニング歯磨き粉の注意点
それならば、過酸化水素もしくは過酸化尿素の入った歯磨き粉を入手すればいいのではと考えられるかもしれません。実際、海外製の歯磨き粉には過酸化水素や過酸化尿素などの成分が含まれているものがあり、ネットなどで購入は可能です。
ただ、日本人は欧米人とくらべるとエナメル質が薄く柔らかいため傷つきやすく、過酸化水素や過酸化尿素のような強い薬剤の入った歯磨き粉を使うと、痛みやしみが出ることがあります。日本で市販の歯磨き粉に入れてはいけないと法律で決められているのは、正しく使用しないと歯や歯茎を傷める可能性があるためなのです。
したがって、海外製のホワイトニング歯磨き粉を使うには、十分な慎重さが必要で、異変があったら、すぐに使用を中止してください。
ホワイトニング歯磨き粉の上手な使い方
それでは、日本製の市販のホワイトニング歯磨き粉には、使う意味はないのでしょうか。そんなことは、ありません。
最近では、歯科医院のほかにも、歯科医院と同様な効果が得られるセルフホワイトニングのサロンができたり、自宅でも行えるセルフホワイトニングの商品も発売され、歯を内部から白くすることが、かなり身近になってきています。
歯磨き粉での日常的なケアは、菌や着色汚れの予防はもちろん、ホワイトニングの施術による白さの持続の心強いサポート役を果たしてくれます。
まとめ
日本製のホワイトニング歯磨きは、歯を内部から白くはできません。ただ、歯の表面の汚れを落としたり、汚れを付着するのを防いでくれるので、歯科医院やセルフサロンに行って施術を受けたあと、歯の白さを持続するにはとても有効です。