歯科医院で行われるホワイトニングは「オフィスホワイトニング」と言われ、薬剤と特別な機器を使って行われます。ホワイトニング治療期間中、白くするのを妨げてしまうような「食べてはいけない食品」はあるでしょうか。
また、治療後も引き続き食べるのを控えるべきなのでしょうか?ここでは、食べてはいけない食品や期間を、具体例を挙げて説明します。
目次
ホワイトニング中に色素の濃い食べ物を食べても大丈夫?
まず知りたい!ホワイトニング治療のしくみ
治療の流れは、まずホワイトニング剤に含まれる過酸化水素や過酸化尿素を歯の表面に塗布された状態で光を当てます。これらは高温になると酸素と水に分解され、酸素が歯の表面のエナメル質と結びつくことで色素を無色透明にします。
そして構造変化したエナメル質が下にある黄色の象牙質を透けないようにする作用で、本来の色よりも歯が白く見えるようになるというしくみです。
ホワイトニング治療期間中に色素の濃い食べ物を食べると…
ホワイトニング治療後、約48時間は歯の組織では白くするための反応が徐々に進行していきます。この約2日間、歯が色素の刺激を受けやすい状態のため、色素の濃い飲食物によって色素新着してしまう恐れがあります。
ホワイトニングの効果を上げるためには、処置後2日間の食事に気を付けて生活するようにしましょう。
ホワイトニング治療中に控えるべき食べ物
色素新着はどうやって起こる?
歯の色素新着といえば、コーヒーや紅茶、ワインなどが代表的です。これらの飲料の色素がたんぱく質と結合し、「ステイン」として歯に色素新着します。
上述の飲料には「ポリフェノール」が含まれていますが、ポリフェノールから生成された褐色色素がステインの原因となるのです。
ポリフェノールを含む食品を控えましょう
ポリフェノールは植物が作り出す抗酸化物質です。代表的なものはコーヒーのクロロゲン酸、赤ワインのアントシアニン、お茶のカテキン、ココアのカカオポリフェノールなどがあります。
その他にも大豆、ぶどう、チョコレートなど、さまざまな飲食物に含まれ、その数は5000種類以上とされています。
色の濃い食品や着色料を使用した食品
カレーやキムチ、また調味料である、しょうゆ、ソース、ケチャップ等、色の濃い食品も色素沈着しやすいといわれる食品です。
着色料を使用した食品は食べ合わせに注意しましょう
着色料が含まれる食品は、食べ合わせる食品によって歯への色素新着を促してしまうことがあります。具体例としてクエン酸が挙げられます。クエン酸は、これ自体は着色の原因になりませんが、口の中が酸性になることで歯の表面が酸によって荒れてしまいます。
そこに着色性の食品を摂ると着色しやすくなってしまうのです。
もしも食べたら早めの対応を!
歯の着色を気にし過ぎると何も食べられなくなってしまいます。
ホワイトニング治療中は着色しやすい食べ物をなるべく控えるように気に留めておくことは大切ですが、もし食べてしまったら早めに歯磨きをしたり、水を飲む・水でうがいをする等を行い、色素を沈着させるものをできるだけなくすようにしましょう。
ホワイトニング施術後も食べられない期間
色素の濃い食べ物を避けるべき期間は?
歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」は、施術後約2日間は、上述でもご紹介したような色素の濃い飲食物を控えた方がよいとされています。理由は、ホワイトニングを行った歯面は約48時間かけて、組織を白く定着させるための反応を起こしているとされているからです。
不安定なこの時期は、色素の刺激も受けやすい状態なので、色の濃い飲食は避けた方が、ホワイトニング効果が発揮されることでしょう。
もしも色の濃い食事をしてしまったら…
もしどうしても色の濃いお食事を摂る機会がある場合は、食後なるべく早い段階で歯を磨くようにしましょう。外食であれば、携帯用歯ブラシセットを持っていくなどされても良いと思います。もし磨くのが難しい状況であれば、お水で口をゆすぐだけでも効果があります。仮に色の濃いものを食べてしまったとしても、ホワイトニングする前よりも歯の色が濃く着色するということはありません。
まずは「施術後2日間は注意」ということを意識することが大切です。
まとめ
歯のホワイトニングを行う期間は、歯を白く見せるために組織が不安定な時期が続くことになります。
その時期は色素に対しても影響を受けやすくなるため注意が必要です。そこで色素沈着しやすい飲食物のことを詳しく知り、普段の生活の中で気を付けるようにしましょう。果てにはそれが、通常の色素沈着を予防する習慣にも繋がります。